M-1:2006感想文。決勝First Round

今年は初めてリアルで観れなかったM-1:2006。結果も知ってる上での感想なんで悪しからず。

審査員も困ったんじゃないだろうか?これ1番手でこれ基準で考えないといけないってのが。シュールにしては意味が通るし普通にしては意味が通らない。そこが魅力と言えば魅力でしょうけど、「中毒」ってのは何回か繰り返して初めて出てくるもんなんで、1発勝負の大舞台では厳しいかと。
マヨネーズにしろマグロにしろ、ちょっと同じ動きが多かったかな。あと2回ぐらい少なければしつこさも感じなかった。

この期におよんで「後藤店長」というチョイスはないだろうに。だいぶ使い古した感があって残念。最初の1分、岩尾のあれはかなりの賭けだったでしょう。無事に笑いに繋がったからよいものの、危険だったなぁ・・・ 2人とも全体的に少し叫びすぎだったかなと思います。もっと「可能性」に挑戦してほしかった。

漫才、という縛りの中でよく頑張った方ではないかなと思います。5人だとコントのほうが当然良さが発揮できるんでしょうけど、センターマイク1本相手にしないといけないのは難しい。横並びではなく縦並びのネタを使ったのはそういう理由もあったかも。客の目も流れずに全体捉えられると思うし。ただ常に同じ流れで終始したのは惜しい。アクセントに「ペテン師」「未来人」入ってましたが爆発にはならなかった。

多分ガッツの場面は「客がモノマネしてないのに気付いて笑い出してそこにツッコミ入って・・・」って流れを想像してたんだろうけど、実際はツッコミ入って客も「あぁ!!」って。こういう長い振りはどのコンビが使っても冷や冷やもんです。「お前がしっかりせい麒麟は!!」・・・この一言で流れ取り戻したような気がします。相変わらず川島のナレーション芸は見事だし、オチも非常に綺麗にまとまったので全体的には良ネタでした。

「ハンパねぇ」を使わなかったのは好印象。成長と見てよいでしょう。意外と?普通の漫才してましたね。「もっと笑いが起きてもいいかなぁ」と松っちゃんが言ってましたが、今までが「シュール」「キモ顔」「5人漫才」「ナレーション芸」と特殊だったからね。客も小休止みたいな感じで普通の漫才を普通に見てしまったからかも。ってことは安心して観れた、ってことなので本人達自身持っていいと思います。

世界観に客を引き込むのが上手いって言うか、漫才が最初から完全に2人の世界で進行してるから客がそれに入らざるを得ないって言うか。とにかく客を掴むのが異常に早くて上手い。スタイルは「妄想vs真人間」で統一されてるし、よくよく考えればどのネタも大体同じ具合で進行してるんだけど、途中でそれを感じさせないのが魅力なんでしょう。個人的に徳井のあのキャラがあまり得意ではないので・・・

正直最初はハイヒールとかあんな感じカナと思ってました。そして見事に裏切られました。ヤマなしオチなしテンポなし、おばちゃんの普通の会話なんですけど、これが漫才として受け入れられ、んで決勝まで来てる・・・笑いの裾野の広さに乾杯です。面白さは素人という盾に守られた自由さか。その後の人生に別に芸能界は関係ない、その安心感であの漫才ができるのだろうと思います。まぁたぶんPoisonと同じで「中毒系」のコンビなんでしょう。

最初「箸」の一言で宮本武蔵出すカナと思いきや。あの哲夫の暴走加減・・・脱脂綿とか、静岡県の茶畑とか、暴れん坊将軍とか・・・あれ好きなんですけどねぇ、やっぱ時間的に厳しい。あれで爆発しなければアウトだもの。スロースターターなんですよね、ほんと。そういう点で、箸A・箸Bの件はまだ早めにツッコミ入れてもよかった。後半お得意のかけ合いで持ち直すも後の祭り。1点はそこに出たのかも。

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もうちょっと受けてもよかったのかなぁと思ってしまいます。テンポもよかったし、それぞれちゃんとオチがついてて非常に安心してみれる漫才だったと思いますがいかがなもんでしょ。まぁ確かにありがちなネタではあった訳なんですが・・・淡々と普通に流れていってしまったのも惜しいと言えば惜しいのでしょうか。なんにせよ個人的には高評価でした。